たまにはUKチャートもフォローしときましょう。
ところで2週間くらい前でしたか、UKチャートにおけるダウンロード得点のルールがまたも改正されました。今まではダウンロードポイントのみによるチャートインは、翌週にフィジカルリリース(物体としての発売、要はCDシングルの発売)がある場合にのみ認められました。だからちょうどフライングのような形で下位にランクされた曲が、CD発売に伴って急上昇、というパターンが相次いだわけですね。で、これからはこの”フィジカルリリースを翌週に控えている”という条件が外されたそうです。つまり、シングルが出る何週も前からダウンロードで人気が出ればすぐにでもチャートインできるし、CMなどの効果で過去のヒット曲が突然ダウンロードで人気になってしまった場合でもチャートイン可能なわけです。
実はこのルールによってさっそく影響が出た曲があって、今週は影も形もなくなっていますけど先週Billieの「Honey To The Bee」が17位にいきなり登場しました。Billieといえば当時史上最年少(15歳だっけか)でUKチャートを制した「Because We Want To」などのヒットを放った90年代最後のトップアイドル。「Honey To The Bee」も元々99年3位のヒットなんですけど、今回のチャートルール改正の効果を試すためにRadio 1のDJであるChris Moylesという人がこの曲のダウンロードを呼びかけた結果Top20にまで入ってしまったと。要は日本にiTunes Music Storeが上陸した時の松崎しげる祭りみたいなことが起こってたわけですね。他にも51位にSurvivorの「Eye Of The Tiger」、53位にJackson 5の「I Want You Back」なんてのが入ってたんですけどこれらも意図的な運動によるものなんでしょうかねえ?
つーことで前置きが長くなりましたが今週のUKチャートです。

01 (01) Mika / Grace Kelly -2nd week-
02 (02) Just Jack / Starz In Their Eyes
03 (ne) Mason / Exceeder
04 (04) JoJo / Too Little, Too Late
05 (03) The Views / Same Jeans
06 (ne) Fall Out Boy / This Ain't A Scene, It's An Arms Race
07 (ne) Klaxons / Golden Skans
08 (38) My Chemical Romance / Famous Last Words
09 (07) The Ordinary Boys / I Luv U
10 (05) Eric Prydz vs Floyd / Proper Education
13 (ne) Bloc Party / The Prayer
16 (29) The Fray / How To Save A Life
20 (ne) Little Man Tate / Sexy In Latin
23 (61) Keane / A Bad Dream
31 (ne) Larrkin Love / A Day In The Life
34 (ne) Gossip / Standing The Way Of Control
37 (ne) Kelis feat. Cee-Lo / Lil Star
BBCの選ぶ”今年ブレイクするアーティスト10”のリスト、昨年も1位に選ばれたCorinne Bailey Raeが英国のみならずアメリカでもグラミーの最優秀新人賞にノミネートされる大成功を収めてますけれども今年もチャートに大きく影響を与えています。今週のTop10に名を連ねているアーティストのうち実に3組がBBCのリストに選ばれてます。
そのリストで1位だったMika(マイカ、ではなくミカ)がオーディション番組『X-Factor』の今期ウィナーLeona Luisの「A Moment Like This」(タイトルでピンと来た人も多いだろうけどケリクラのカヴァーです)から首位を奪い、現在2週連続トップ。ひとりScissor Sistersみたいなお兄ちゃんですね。Queenともよく比べられてるけど実際歌い方とかすごいFreddieっぽい。少なくともマイケミよりははるかに女王様です。僕は未だScissorsに心を開いていないので現状Mikaちゃんにも興味ありませんけども、なんとこの段階で早くもUSマーケットでも話題になってます。早ええ。
2位もBBCリストの8位に選ばれていたJust Jack。UKガラージのラッパー?でいいのかな。2ステップでもなければグライムでもない、洒脱な4つ打ちガラージです。おー、こういうの出てきて嬉しいなー。でもいつも4つ打ちにこだわってる人ではない模様。Dizzie RascalやThe Streetsに続く存在になれますかねー。
順番が前後しますけど7位のKlaxons(クラクションズ)もBBCリストの一角で彼らは3位でした。ポストエレクトロクラッシュ/ディスコパンクのムーヴメントの位置づけらしいNo WaveとかNew Raveなどと言われて持てはやされているUKロック新潮流の急先鋒。僕がコンピで聴いてた曲はこれよりもっととんがっててついていけない感じの音を鳴らしてたような気がします。ベース音がなんとなくDeath From Above 1979を思い出す。
3位のMasonは何者かよく分かりませんが、UKチャート上では何故かクレジットされていないPrincess Superstarをフィーチュアしたダンスもの。この間のBodyrox「Yeah Yeah」なんかと共有しているこのヘンな空気感もこそNew Raveの影響下にあるのかもしれません。去年はEric Prydz以降のネタものダンスが出尽くして腐敗臭すら漂わせていたので(Beatfreakzとか)それに対する反動でもあるのかなあという気も。
そしてそのEric Prydz先生もまさかのUKチャート帰還、しかも一時は2位まで上がり今週もTop10キープ。今度はPink Floydネタですが、個人的にアホディスコ路線よりも彼の本来の作風に近いと思っているエレクトロ色強めなトラックでヒットしてちょっと嬉しい。「Call On Me」のイメージしかない人はちょっと驚くんじゃないですかね。モノクロのMVもこの手のダンスものとしては珍しくカッコイイのですが、「Hey! じいちゃん! 冷麺三つも!」という有名な空耳ネタが登場した瞬間全てが無に帰す感じです。
一応Top10は全曲コメントしときましょうか。4位JoJoはアメリカでも最高3位と大ヒットになって日本にも人気が飛び火しつつあります。UKでは前作からの「Leave (Get Out)」も「Baby, It's You」も確かTop5入りしててデビュー時から人気でした。ヒラダフとかがUKで突発的にヒットを出してはすぐ引っ込んでくのに比べるとずいぶん安定感がありますね。実際ローティーン向けとは思えないレベルの完成度。
5位のThe Viewsは、すいません、全然知りません(汗) なんか今人気あるらしいですね。新人のロックバンド。6位Fall Out BoyはBillboardでいきなり初登場2位の大記録を生んだ新作からのリードシングル。日本でもこれは売れるな。マイケミ並に劇的な転調をする曲。そのマイケミは未だ日本で場か売れ中の『Welcome To The Black Parade』からの2ndシングルが8位。2曲連続Top10ヒット。9位The Ordinary Boysも例のリアリティTV以降すっかりTop10の常連ですな。ちなみに最新回の『Celebrity Big Brother』ではTowers Of Londonのヴォーカルが出場して一瞬で消えた(自主退場?)らしいです。
あとは下のほうも軽く。13位Bloc Partyも新作からのリードですがなんか凄いなこれ。聴いてもらえば早いんですけどもなんか石窟で修行僧の集団が唸ってる感じです。意味分かりませんね。分からなさすぎるので、日本ではもっと分かりやすい「I Still Remember」がエアプレイされてます。16位The FrayはUSでの出世曲「Over My Head」を抜かしてアルバムタイトル曲がファーストヒットになりました。23位Keaneは『Under The Iron Sea』からの4曲目。2ndの「Crystal Ball」が20位だったときはああこりゃ一気に落ち目だと思ったんですけどその後「Nothing In My Way」19位、そして今回23位まで来たので何だかんだでこんくらいは売れるんですね。アルバムも程よく枚数出てるみたいだし。
34位GossipもこれNew Raveな感じのバンド?テクノ系になるのかな。なんかGoldfrappがぶっとんだ感じっていうか。何よりフロントを務めるのがデブのレズビアンということで何もかもがレフトフィールド。どうも今週はDLオンリーのチャートインのようなので、これ来週Top20くらいには来るな。またチャートが面白くなる。37位Kelisは『Kelis Was Here』からの3rdシングル。元々UKでの人気が先行していたKelisもアルバムからの先行カット「Bossy」が大したヒットになってない(UK22位)んだけども今回の曲はやはりDLオンリーで入ってきた模様。こんなに好評なのはCee-Loの存在ももちろんあるんでしょうけども、冬に良く似合うほっこりしたソウル。元々は別のR&BシンガーにCee-Loが提供した曲だったそうです。








