2009年01月30日

気になるレーベルをとりあえず列挙するよ

mats3003さんが書いてらしたこの記事見て真似してみました。
何年か前から、「チャートマニアのためのダンスレーベルガイド」みたいなものは作りたいなあとは思ってたんですけどね。
チャートもレーベルも中途半端にしか知らなくてきちんと形に出来ないことがわかってたのでずっとやらずにいたんですが、ヒトサマがやってるのを見ると面白そうだからやっぱり自分もやりたくなった(笑)
一応僕はCDシングルで買い集める主義なのでCDSリリースの多いところを中心に、かつては気にしてたけど今は…なとことかも含めて、適当に列挙しつつ説明、というよりはそのレーベルに対する自分の所感を記してみたいと思います。
特に断りのない場合はレーベル・チャートともにUKの話だと思ってください。




Defected
DEFECTED

僕は片っぱしからカタログを買うのはもちろん、ニューリリースは全部試聴する!
なんてレーベルがあるほどにはどこにも入れ込んでないのですが、
(特定レーベルだけじゃなくて特定アーティストにもあんまり入れ込まないからな)
一番気にかけてるとなるとここですね。
ロンドン滞在中は新譜見かけたらとりあえずは試聴、てな具合で。「良心的なソウルフルハウスレーベル」ってイメージでいたけど実際はソウル系には限らないので、そのイメージを期待してイビサのDefected In The House行ったらまごまごするハメに。
あんな地味な曲ばっかりかかると思ってなかったんだよ。。。

最近このレーベルはRadio Editをなかなか作ってくれないのですが、地に足の着いた(無闇に売れ線に走らない)ハウスレーベルとしては例外的にCDシングルをコンスタントに出してくれるのでCD派の強い味方です。
とはいえラジオヴァージョンがないようではポップヒットなどするはずもなく、ここ数年はBob Sinclarを例外としてチャートへの登場はめっきり減ってしまいました。
数年前に「大人相手の商売がしたい」的なことをお偉いさんが言ってましたが、お子様向けダンスポップメーカーになるのを危惧してかチャートヒットそのものを狙わなくなったようです。




Data
DATA

ロンドンの巨大クラブMinistry Of Sound(結局行ったことねえ)を親玉に持つUKチャート常連レーベル。
特にEric Prydz「Call On Me」が大ヒットした2004年以降、おっぱいビデオを凄い勢いで量産しはじめたことでよりヒット数が増した印象です。
最近は同じくMOS傘下に昨年新設された兄弟レーベルHARD2BEATが節操のないラインナップでヒットを連発してますが、DATAとの棲み分けをどうしてるんだかよく分かりません。
個人的には売れ線ハウスのイメージが強かったんですが、初期のリリースを見てみたらトランス勢だらけだったんですね。
Switch「A Bit Patchy」みたいにエッジの効いた曲もぞろぞろライセンスしており、単なるアホアホダンスレーベルではありませんので念の為。
というかむしろ、コアとマス両方のリスナーをうまいこと手中に収めてる感じ。さすが大手。
ハウス界のAVEX、と勝手に呼んでいるのですが、結構失礼ではある。DATAに対して。


Kid Cudi vs Crookers - Day 'N' Nite (#2 UK, #88↑US /'09)




Positiva
POSITIVA

近年影が薄れていますが、DATAがこれほど台頭してくる以前、90年代から2000年代前半にかけてのチャート常連レーベルと言えばむしろPOSITIVAでした。
熱心なUKチャートファンやUKシングル盤コレクターであれば、この○に十字のレーベルロゴジャケを何度となく目にしてるはず。
最近はどこも一応ちゃんとしたジャケを作るようになってしまって、ロゴジャケはめっきり見なくなったのでちょっと寂しい。
2003年に設立10周年記念として、過去のカタログから10枚のシングルをスペシャルエディションで再発して話題になりましたがそこら辺が存在感のピークだったでしょうかね。
ポップなハウス〜トランスが多いですが、そのピークを過ぎたあたりからアーバン系もちょいちょい出していて、変なところではLumideeの仏ヒット「Sientelo」のUKリリースはここ。




AATW
ALL AROUND THE WORLD (AATW)

チャートヒットの多さではおそらく最強のレーベル。
5年くらい前には大メジャーのUNIVERSAL様と組んでますが、傘下なのか単に流通を任せてるだけなのかは知らん。
「流行とは、創り出すものではない。便乗するものだ」が社訓(←僕が勝手にそう言っている)。
他のチャート常連レーベルが基本的により小さなインディーからイケてる曲を探し出してきて売ってるのに対してAATWは自前のアーティストを多く抱えてるのが大きな特徴で、
上記のモットーに則って自社部隊とライセンス音源を組み合わせて送り出すことで90年代初頭から殆ど途切れなくTop10レベルのヒットを放ち続けている、ある意味奇跡のレーベル。

90年代にN-TranceやBus Stopなどユーロポップベースのパーティーラップで身を興し、
トランスが流行ればKelly LlorennaやUltrabeatらの分かりやすい歌モノで大ヒットを連発、
Eric Prydzのヒットを見るや1フレーズループの80'sネタものハウスを量産してブームに参入し、
マッシュアップの手法が広まればU2とWhitney Houestonを組み合わせたネタ曲でNo.1ヒット獲得、
昨年のベースラインハウスブームではT2をライセンスしてどこよりも早くチャートに登場してみせるなど、
時代時代ごとの変わり身の早さは舌を巻くものがあります。
その合間合間でFrankeeなんつーイロモノを送り出してやっぱりNo.1取ってみたり、
Ice CubeやKhiaみたいなごりごりのヒップホップを無理くりトランスリミックスしてみたり、
メジャーから放り出されたDannii Minogueを拾って姥捨て山役になってみたりと色々と香ばしいトピックも尽きません。
最近だとN-Dubzもここなんですね。色々手広くやりたいのでしょうか。
DATAのとこで紹介したKid Cudi vs Crookersの「Day N Nite」が今大ヒットしてますが、AATWがこれに商機ありと見て動いたら「09年フィジットハウスブーム」は確定路線だな。




Hed Kandi
HED KANDI

センスある選曲とジャケットデザイン・パッケージングのコンピレーションシリーズによってヨーロッパにお洒落ハウスブームを巻き起こしたレーベル。
多くのシリーズで「DJユースな長さの音源をUnmixedで収録する」というコンセプトを貫いたおかげでオサレ姉さんたちに限らずコレクターも御用達でした。
基本的にコンピ専門レーベルだったので、Stonebridgeがここに移籍して第1弾シングル「Put Em High」を大ヒットさせた時はちょっとびっくりしたものですが、
選曲を担っていたMark Doyleがジャケットデザイナーまで連れてレーベルを去ったことで看板に見合う中身がなくなってしまい、程なくしてMINISTRY OF SOUND傘下へ入ることに。

兄弟のDATAとの差別化をしておく意味もあるのでしょう、一応今でもオシャレ感覚を捨ててはいないんですがどうにも安っぽい。
同じモデルでもスーパーモデルからグラビアアイドルくらいへのグレードダウン感が漂っています。
昨年デザイナーは出戻ってきたらしく、今後どう立て直すのか直さないのか直らないのかちょい注目中。
チャートヒッターとしては先述のStonebridgeの他、MOS傘下になってからBooty Luvも送り出してます。




Gusto
GUSTO

Right Said FredをリリースしていたTUG RECORDS傘下のGUT RECORDSのまた傘下、らしい。
まだ始めて4、5年の割と新興のレーベルだと思ってたらそろそろ設立10年の中堅どころでしたが、
レーベル史上最大のヒットがCrazy Frogがぶっちぎりのディンディン、次ぐのがUniting Nations、という並びから取り返しのつかないB級スメルがほとばしっている素敵なところです。
去年はこっそりAddictive feat. T2の「Gonna Be Mine」を出してベースライン祭りに参加してたこともあり、
ALL AROUND THE WORLDの(さらに)チープ版、という従来の自分内イメージがさらに加速。




Scorccio
SCORCCIO

90年代英国屈指のアホプロデューサー、Mark SummersことScorccioのオウンレーベル。
リリースのほぼ全てがアナログオンリーなのは、たぶんサンプリングのクリアランスがまっ黒けだから。
このレーベルから毎度大量収録していた『Dancemania』シリーズのからくりは何だったんだろう。
70〜80年代ディスコの大ネタをサンプリングしたアッパッパーなトラックに高速ラップを乗っけた、
「ネオディスコ」などと呼ばれていた(たぶん日本だけで)タイプの曲をひたすら出しまくってました。

しかし5〜6年前、アドレナリンが切れたのかどっかから怒られたのか知りませんがぱったりリリースが止み、サンプリングレコーディング請負会社と化した模様。
Shapeshifters「Lola's Theme」のクレジットで彼の名前を見た時は何とも言えない複雑な気持ちになった。
そんなところなのでチャートにはほぼ無縁なんですが、
記念すべき第1弾作品Souvlaki「Inferno」が他レーベルにライセンスられる形ながらTop20に入ってます。
出来るものならカタログ全部揃えたい、唯一のレーベル。




Almighty
ALMIGHTY

ヒット曲を見境なくハウス化するという日本の弱小インディーレーベルが昨今凄い勢いでやってることを20年近く前からひたすらやり続けている、漢なレーベル。
ただしそのサウンドスタイルがきゃぴいキラキラユーロなので、顧客層は漢っつうかおネエさん方。
かつてはゲイ層だけに絞ってたわけでもないと思うのですが、最近は腹を括ったのか何なのか、ここのコンピのジャケはもはやカタギの人間がレジに持って行けるってレベルじゃねーぞ。

数年前にシングルのリリースがCD-Rになった、とか、
ABBAミュージカル人気に便乗したくて去年Abbacadabra(ABBAのカヴァー専門ユニット。言っとくけどA-Teensより先だかんな!)の新ベストをこっそり出した(カタギでもお手に取りやすいジャケットデザインで)、とか、
何かと泣ける話ばかり届く昨今ですがそれでも続いてること自体がそもそも凄い。20年だぞ。
これでも最盛期の2000年ごろはUKアクト(特にアイドル系)のシングル用ダンスリミックス御用達、果てはジェニロペやUsherまで手掛けるくらい勢いがあった。
そんな時代もあったんだ。
一応AbbacadabraはUKチャートの50位台くらいに入ったこともあるらしい。
個人的にはもうチェックする気ゼロですが、最盛期頃の作品はちょぼちょぼ持ってるしそこそこ好きだった。
これも『Dancemania』絡みで、日本のプロモ12"限定音源がいくつかあり、中古市場では凄い高値で取引されてました。今でもそうなのかな。




Skint
SKINT

自分にはあんまり縁のないレーベルなんですが、何と言ってもFatboy Slimを擁することで有名。
ハウス系チャートヒット史においては、X-Press 2の全英No.2ヒット「Lazy」がここからという点もテストに出るかもしれません。
ところでSKINTって、FreemasonsをリリースしてるLOADEDの傘下だったんですね。
知らなかった。。。色々調べてみるもんです。




Southern Fried
SOUTHERN FRIED

そのFatboy SlimことNorman Cookおぢさんのオウンレーベル。
最初の頃はほんとおいちゃんやりたい放題の私的なレーベルだったらしいですね。
チャートを狙いに来るようなレーベルじゃないのでポップヒットは数えるくらいしかないですが、
Elton Johnの過去ヒットを再発してNo.1に送り込むというウルトラな前科あり。
そういやSpace Cowboyって未だに”Fatboy Slimの一番弟子”ってコピーをよく見ますが、
彼はとっくの昔にSOUTHERN FRIEDから独立して自分のレーベル設立してますので念の為。



Wall Of Sound
WALL OF SOUND

90年代にThe Wiseguys、Propellerheadsという大型ブレイクビーツアクトがチャートでもTop10ヒットを送り出しており、
最近はInfadelsやA Humanが在籍、なんか総じてダンス×ロックのイメージが強いレーベル。
他の大物としてはRoyksoppの他、Stuart PriceがかつてLes Rythmes Digitales名義で、
現在でもZoot Womanの一員としてここに籍を置いています。
あと何故かソウル系のAmp FiddlerもUKではここ(というかペアレントレーベルのPIAS?)が出してる模様。
ハウスリスナー的にはあんまり縁がなく、
今のエレクトロの動きからもちょっと外れた感じで僕はここが今シーンでどういう立ち位置にあるのかあんまり分かってません。




Ed Banger
ED BANGER

レーベル丸ごとDaft Punkの縁者、とか言ったら乱暴ですが、そのダフパンの元マネージャーBusy PことPedro Winter率いるフレンチエレクトロレーベル。
同じおフランスでもKITSUNEには全然興味無いんですが、ここは好きです。
DJ Mehdiがいるせいでそう感じるだけかもしれませんが、他の同系レーベルに比べてヒップホップ的な感性を兼ね備えてるのがいいのです。
今のところチャートヒットにまでなったのは無し。
つかJusticeは何でヒットしなかったんだろう。単にプロモーション/ディストリビューションの規模の問題か?




Modular
MODULAR

先述のED BANGER、KITSUNEと並んでエレクトロ〜ニューレイヴ・ムーヴメントど真ん中、さしずめ「御三家」的な立ち位置の、オーストラリアのレーベル。
なんですが、メインストリームロックリスナーから歓迎されたハードロックバンドWolfmotherを送り出したのもここ、ついでにJack Johnsonの豪盤のいくつかもここから出てるなど、
必ずしもダンスミュージックばりばりじゃなかったりするところに他2つの御三家、およびダンスシーンから若干距離感があるような気がします。
今まであんま興味持ってなかったのですが、昨年はThe PresetsやBumblebees、Cut Copyなど気になるアーティストがここ発だったってケースがかなり多かったですね。
これらのアーティスト、メインストリームレベルでもうちょいブレイクしてもよさそうでしたがED BANGER勢同様チャートへの登場はありませんでした。




Robbins Ent
ROBBINS ENTERTAINMENT

USのダンスレーベル。主にヨーロッパ発のダンスポップ系ヒットをライセンスしてくるのですが、何故かここはチャートに強く、2000年代ダンス系のビルボードヒットはここがやたらと多い。
(例: DJ Sammy、DHT、Cascada、Lasgoなど)
最近このテのユーロポップはCDSで買うなんてことは全くなくなったのでリリース動向も全然チェックしてなくて今はどんな感じか分からないのですが、
シングル盤文化が既に廃れたUSでCDシングルを出し続けていたということで一時期かなり重宝していました。
リリースの時期はどうしてもヨーロッパより半年とか遅れるものの、UK盤と違って収録分数の制限が関係なく(凄い大量にリミックスが入ってたりする)、
US盤はamazonでの流通量も安定している(いた)という点が強み。




Ultra
ULTRA

ROBBINSと双璧をなすUSのダンスポップ系レーベルなのですが、ここはポップヒットを出すのがヘタクソのようで、たぶんビルボ(Hot 100)Top40ヒットは1曲もない。
「恋のマイアヒ」なんて大玉もうまく売りぬけず、去年はEnurの「Calabria」がいいとこまで行ったけど大ヒットには至らなかった。
ただユーロビート色の強いROBBINSに比べるとこちらはやや「クラブ」度が強く、最近ではKaskadeがOMから移籍してくるなどROBBINSよりも「使える」ラインナップが揃ってます。
AATW=ROBBINS、POSITIVA=ULTRAだと思うと分かりやすい。




あー、ホントはレーベル別のUKチャートヒットデータベースみたいなの作れたらいいんだけどな。
2000年代以降のTop10ヒットでDATA、POSITIVA、DEFECTED、AATWの4強のみ、とかなら割とさくっと作れそうだけど。
つか誰か作ってよこの世の中の誰か。


posted by Skedge at 00:00| Comment(2) | 音楽ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Skint→Loadedの親子関係には、更に祖先がいまして、Loadedの親がCowboy、更に親がFlyingというレーベルです。この2つは、いわゆるバレアリックのレーベルなんですよ。だから、この一連のレーベルは、僕が提唱するバレアリック→ビッグビートを正に体現してきたグループと言えます。

そういえば、Southern Friedも当初はSkintのオフィスを間借りしてたらしく、そういう意味ではほぼ兄弟レーベルですね。

長年バイヤーをやってた経験からして、'90年代後半辺りから“レーベル買い”する人が凄く減ったように感じます。アーティスト同士、曲同士のつながりを楽しむのではなく、1曲単位で使い捨てる感じになったんでしょうね。この記事に上がっているレーベルの中には、2000年前後辺りに作品を出しすぎて一時期信頼感を失っていたところもありますが、最近はまたクオリティーが上がってきてます。また“レーベル買い”をする人が増えてきて欲しいです。
Posted by dj mizuta at 2009年01月31日 23:01
>dj mizutaさん

>Skint→Loadedの親子関係には、更に祖先がいまして、Loadedの親がCowboy、更に親がFlyingというレーベルです。この2つは、いわゆるバレアリックのレーベルなんですよ。

へー、なるほどという感じです。だからX-Press 2がここにいるのかなあ。SOUTHERN FRIEDがSKINTに間借りしてたというのも納得いきますね。僕最初の頃この2つのレーベルごっちゃになってましたし…。Kanye WestのG.O.O.Dなんかもそうですが、アーティストとして所属してるところとは別に自分のレーベルを持つって言うのは契約上どうなってるんでしょうか。


>'90年代後半辺りから“レーベル買い”する人が凄く減ったように感じます。

POSITIVAのところにも書きましたが、ぱっと見ただけだとどこから出てるのか分からないジャケが増えたのも何か関係があるのでしょうか?12"だとそうでもないかもしれませんが、CDSだとビデオクリップから流用した画像とかのジャケが多いんですよね、ここ5年くらい。クラブものは名義が変わったりリミックス作品まで追い切れなかったりで特定アーティストの動きを把握しにくいから、その代わりに(?)レーベル情報が重視されてるんだと思ってきたんですが、ここ10年は話が変わってるんでしょうか。
Posted by Skedge at 2009年02月01日 22:14
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