2009年04月01日

いきなり全曲レビュー(2回目):Dancemania Club Classics

僕がかつて東芝EMI(当時)からリリースされて爆発的にヒットしていたコンピ『Dancemania』シリーズに
かなりどっぷりハマっていたことは既に何度かカミングアウトしてきましたが、
その影響が一番今でも色濃く残っているのは、ベタなユーロポップ満載のメインシリーズではなくこれでした。
いつか書こう、書こう、と思いながら(この時にも記事の最後でボヤいてる…)、
何と今年で発売から10年という事実にびっくり。。。



Club Classics.jpg
V.A. "Dancemania Club Classics" (Intercode/Toshiba EMI, 1999)


最大のセールスを記録したと言われる『Dancemania Extra』が50万枚超、
チャート上では『Dancemania X1』が最高オリコン2位を記録、という
今では考えられない売れ方をしていた同シリーズですが、
このシリーズが凄かったのは、メインシリーズの圧倒的な人気を受ける形で
サブシリーズまでもが高いセールスを挙げ、
その中にはかなり濃い選曲のものが多くあったという点。
クラブミュージック先進国のイギリスでさえもまともに認知されていない
ハッピーハードコアを選曲の中心に据えながらサブシリーズ最大の売り上げを誇った『Speed』や、
逆に全然売れない割にやたらリリース量が多く、
マイアミのケツ振りベースをぶちかましまくってシリーズから浮きまくっていた『Bass』なんか
その最たる例だと思うのだけど、僕が当時は勿論、
今でも愛聴してやまないのがこの『Club Classics』シリーズ。

70年代〜80年代前半にかけてのディスココンピと書いてしまうとありきたりに思えるけれど、
本場アメリカの現場で本当に愛されてきたガラージクラシックの名曲を主にピックアップした内容は
そこらによくある「日本の大衆ディスコで流行った曲集」とは一線を画す突き抜けぶり。
ガラージマニアからすれば定番中の定番ばかりで新鮮味はなかったと思うけれど、
しかしこんな内容のコンピが、CDが一番売れた時代(99年)に
オリコンアルバムチャートのTop20にチャートインしたという事実は後代未聞。
(前代未聞と書かないのは、本当にこれ以前に無かったかどうかまでは知らないから。
でもまず無かったでしょう。当時のレアディスコファンは仰天したんじゃないでしょうか)


Club Classics Inlay.bmp

しかもこれまたこのシリーズの全盛期(2000年前後)はブックレットが異常に充実しているのもポイントで、
多くの作品でわざわざ1曲につき1ページを割き、解説・ジャケット写真、歌詞を掲載。
全ページフルカラーなのは当たり前で、各ページの背景CGまでいちいち凝ってたりするし、
表紙なんてタイトルロゴ箔押し&ビニール加工だぜ。そんなコンピどこにもありませんよ、きょうび。
『Club Classics』は特に他と比べてライナーがしっかりしていて、
基礎事項まで盛り込んであくまで解説・説明に徹したコメントは
マニア相手のディスクガイド本よりはるかに実用的(この次の『II』なんて輪をかけて詳細)。
曲を聴きながら解説を読み、歌詞に目を通して実際に口ずさみ、
曲が変わればページをめくってまた同じことの繰り返し。
このブックレットの体裁のおかげで自然に身についていった知識は、
それまで全く何も知らなかった自分にとっては計り知れないほど大きい。

それに、僕自身がそうだったのだけど、なんとなく『Dancemania』シリーズだからという理由で
興味を持って買った若人も沢山いたはずで、僕にとってはここらへんが
「リアルタイムじゃないダンスクラシック」を追いかけるきっかけとなったわけだけど、
買うだけ買って理解出来なかった人もきっと沢山いたと思う。
何が言いたいかというと、こんな良質な「ガラージ入門CD(キレイで使える歌詞・解説書付)」が、
そこらへんの中古屋でも捨て値でごろごろ転がっているというとんでもない事実ですよ!
全曲ノンストップでMixされてるという点は音源コレクションの観点からは難がありますが、
音質もかなりいいのでクラブミュージック及びブラックミュージックのファンには
是非とも押さえておくべき価値があります。
こんなのがヘタすりゃ100円200円で買えるなんてありえないから、マジ。


そんな「こんないいCDがブックオフのセール棚に埋もれてるとかもったいなさすぎ!
もうこの記事読んだ人は全員買って!」状態の
暑苦しさMAXな熱意を持って全曲解説実施。
ここまでも長かったけど先はもっと長いぜ!!





1. Jocelyn Brown - Somebody Else's Guy (1984)

ゴスペル出身、当時既にInner Life(このCDのラストに登場)のリードシンガーなどの経歴を経てディスコ・ディーヴァとしての地位を確固たるものにしていたJocelynのソロデビュー曲で、USでは84年にHot100で75位、R&Bで2位、UKでは13位を記録している彼女の代表曲。サンプリングの大ネタらしいんですが、どこ見ても「ネタとして有名」とかしか書いてないせいで僕はこの曲のネタ使いやカヴァーってCeCe Panistonくらいしか知りません。。。 彼女のキャリアを代表する曲であると同時に作家陣や実妹と権利をめぐっての訴訟沙汰にまで至ったいわくつきの曲でもあることは有名で、さすがに今では解決したと聞いた記憶があるのですが、98年リリースのベスト盤では当時の時点でまだその確執が解決されていないことを本人が語っていたので相当な泥沼だったようです。ちなみにこのCDだとイントロのピアノソロがなかなか素敵なんですが、他のCDでは全く聞いたことがないのでたぶんこれ用にわざわざ作ったんだろうな。手が込んでます。
彼女、一時は隠居生活していましたが、Incognito「Always There」のUKヒット(#6 '91)で表舞台に復帰して以来現在に至るまでフィーチャリングシンガーとして現役で、ドラムンベースのRoni SizeからユーロハウスのMotiv8まで依頼は来るもの拒まず状態な感もあり。06年には”約20年ぶり”とされたソロ作『Circles』が出ましたが、これ英語版Wikipediaでは一切触れられてないんですね。日本でしか出てないんだろうか。まあ正直駄作だった感は否めないので、この素晴らしい声が枯れないうちに是非とももうひと花咲かせてほしいもの、ってこれ『Circles』のレビューでも書いたじゃん。





2. Freedom - Get Up And Dance (1979)

メンフィス出身のファンクバンド。リリース後すぐさまGlandmaster Flash & The Furious Five(後述)が「Freedom」に使って以来オールドスクールの大ネタ化したファンククラシックですが、日本ではスチャダラパーが同名曲でまんま使いしたことで有名。僕は知らないんですがこれがそのまま「ポンキッキーズ」で彼らの出演当時に頻繁に流れてたらしく、この曲からガチャピンたちを連想する人多数だそうで。





3. Grandmaster Flash & The Furious Five - Superrappin' (1979)

11年ぶりの新作が話題を呼んでいるブレイクビーツDJのパイオニアGrandmaster Flashが率い、後に離合集散を繰り返しながら「The Adventure Of Grandmaster Flash On The Wheels Of Steel」や「The Message」などのクラシックを多数残していったゲットー・スーパースターたちの記念すべきデビュー曲で、The Whole Darn Family「Seven Minutes Of Funk」ネタのトラックを下敷きに5人のMCが次々マイクを回すパーティーラップ。ブレイク部分での"Can't, won't, don't stop to the rhythm Cause I..."というラインはFreestylersが引用してたのを聞いたことがあるんですがこれってオールドスクールの世界では定番フレーズだったりするんでしょうか。ちなみにこの曲、スタッフが気合を入れてしまったのか何なのか、なんと歌詞が2ページに渡って掲載(つまり収録されずカットされてる部分も含めてたぶん全部)。基本的にこのシリーズの歌詞って聞き取りなので間違ってるところも結構あると思うのですが、この曲の歌詞を掲載したブックレット付きCDなんて世界にこれだけしかないんじゃないかと思う。同じオールドスクール・ラップの次の曲は歌詞割愛なのになぜこの曲だけ…。




4. The Treacherous Three with Kool Moe Dee - At The Party (1980)

上のThe Furious Five同様ENJOY!からデビュー、後にSUGARHILLにも移籍して初期ヒップホップの名門レーベルを渡り歩いた3MC+1DJ体制のグループ。元ネタが7th Wonder「Daisy Lady」で、同ネタのThe Sugarhill Gang「8th Wonder」の方が有名なのかもしれませんが僕はこちらの方が好きだったりします。てかこの曲未だにセパレート音源持ってないので誰かいいコンピとか教えて下さい(ブックレットにも載ってる、90年代にCD化されたENJOY RECORDSのコンピ以外無いの?)。ところでMariah Careyの「Honey」って彼らの「The Body Rock」って曲のネタ使いなんですね。これ書くのに調べてて初めて知った。





5. Jimmy "Bo" Horne - Dance Across The Floor (1978)

Bo DidleyとBo Biceの中間のBo。音聴けば一発で分かりますがKC & The Sunshine BandのHarry Wayne Casey prod.による典型的マイアミサウンドで、リリースももちろん当時このサウンドで世を席巻したTK。バンドの方と何が違うのかって感じですが逆に当時のKC人気の凄まじさを感じたりも。78年R&Bチャート8位。





6. KC & The Sunshine Band - That's The Way [I Like It] (1975)

75年全米1位。比較的マニアックな選曲のこのコンピの中でも飛びぬけて有名な曲で、メジャーどころを集めたディスココンピでもものすごい高確率で収録されてます(特にEMI系コンピならまず間違いなく入ってる)。『Saturday Night Fever』以前の時代の代表的なディスコヒット。あまりにもメジャー過ぎることと底抜けに明るいフレーズをただ繰り返すだけの単純な構成であること、そして中心人物のHarry Wayne Caseyが白人(しかも映像見たらルックス人気も高かった感じ)ということもあってか後世ではあんまりまともな評価をされてないものの、当時R&Bチャートでもちゃんと1位を取っている。UKでは4位のヒット。





7. Instant Funk - I Got My Mind Made Up (1979)

フィリーソウルシーンの立役者Banny Siglerの庇護のもとTNJsという名前で活動していたインストのファンクバンドがSALSOUL RECORDSに移籍したのを機に改名&ヴォーカリストを迎えて放った初のメジャーヒットで、R&Bとディスコで1位、Hot100でも20位を記録。SALSOULでTop40まで行った数少ない曲であり、確かミリオンセラーも記録した同レーベル最大のヒットだったはず(ただし順位上ではThe Salsoul Orchestraの「Tangeline」(18位)の方が上)。サンプリングネタとしては、こういうのを全然ルーツに持っていなさそうなプログレッシヴハウスユニットのNarcotic Thrustが「Safe From Harm」でベースラインを使ってたのがすごく意外で印象に残ってますが、一般的にはDe La Soulが「A Roller Skating Jam Called Saturday」の冒頭で思いっきり使ってたのが有名。





8. KC & The Sunshine Band - Get Down Tonight (1975)

「That's The Way」の一個前のヒットで初の全米No.1ヒット。ライナーでも触れられていますが、このコンピが出た前年の98年にはこの曲をネタにしたBamboo「Bamboogie」がUKで2位の大ヒットになってます。結局こういう色モノ・馬鹿ダンスポップ的な方向からしかラヴコールがないという…。ベスト盤の1枚でも持っとかないと、とか高校の頃から思ってたのに未だに持ってないしどれ買ったらいいか分からないので、けいさんのベスト盤レビューで取り上げられるのを待ちます(ってか取り上げられるのか?)





9. Silvetti - Spring Rain (1976)

アルゼンチンのジャズアーティストだったBebu Silvettiが紆余曲折の末SALSOULから放った美しいインストヒットで(タイトル通りの湿り気を含んだ暖かさ・明るさが素晴らしい)、リリースから3年を経た79年にHot100で39位まで上昇する大ヒットに。後年電気グルーヴが「Shangri-La」でネタ使いして一気に認知度が高まったけど、それ以前もSALSOULレーベルを代表するクラシックではありました。同名アルバムが東芝から世界初CD化されたときに購入して長ーーい記事にしてるので詳細はそっち見て下さい。予想通りコメントは付かなかったよこの記事。





10. Cerrone (feat. Jocelyn Brown) - Hooked On You (1980)

Serge Gainsbourg的なエロオヤジ臭を放つ元祖フレンチディスコプロデューサーで、ドイツのGeorgio Moroderと並ぶゴッドファーザー・オブ・ユーロディスコ。男女の乱交をテーマにした16分の大作「Love In C Minor」(73年)が世界的なヒットとなるものの、78年の『Supernature』(昨年Lindstromがネタ使い)がグラミーを総なめにする高評価を得たことでその色モノ的なイメージを覆しており、その後に位置するこの曲もフュージョン的な洒脱さを披露。この曲の入ったアルバム『Cerrone VI』は全曲feat. Jocelynらしいので是非欲しいところ(とこれまた何年も思い続けてるが新譜チェックにばかり追われてずっと放置している)。しかしこの人、若手がリミックスしたアルバムなんかが最近出てるのは知ってましたが現役だったんですね。昨年1月に超イマドキハウスな音のアルバムが出てます。





11. The Salsoul Orchestra feat. Loleatta Holloway - Runaway (1977)

「TSOP」の全米No.1ヒットで知られるフィリーディスコオーケストラ、MFSBの主要メンバーがほぼごっそりと蔵換えする形で結成されたのがSALSOULレーベルの中核部隊The Salsoul Orchestra。「Tangeline」(#18 '76)、「Nice N' Naasty」(#30 '76)と2曲のTop40ヒットを持っている(SALSOULでは唯一では?)が、この2曲が後年評価されることは少なく、当時はR&Bチャート84位というマイナーヒットに留まっているこの曲が代表曲としてまず間違いなく最初に挙げられる。一方のLoletta Hollowayは前述のJocelyn Brownと並立するゴスペル出身のディスコディーヴァで、SALSOULを代表するシンガー。彼女にとってもやはりこの曲は代表曲の一つで、というかSALSOULレーベルの全体から見てもこれは代表曲と言ってしまっていいでしょう。90年代にはNuyorican Soulによる素晴らしいスパングリッシュ・カヴァーもヒットしてます。去年イビサでIndia(Nuyorican Soul版のシンガー)の生歌でこの曲聴いたときは死ぬかと思った。写真まで一緒に撮ってもらってすごくいい思い出になりました。





12. Esctasy, Passion & Pain feat. Barbara Roy - Touch & Go (1976)

Jocelyn Brownの叔母(伯母?)Barbara Royをリードヴォーカルに据えたディスコグループで、これはSALSOULモノではなくROULETTE RECORDというところのリリースなんだけどプロデューサーがBunny SiglerやNorman Harrisらフィリーソウルの要人でしかもこの曲のバックはMFSB、ってことで実質同じようなもんか。90年代のハンドバッグクラシック、JX「Son Of A Gun」(#5 UK/'95)でヴォーカルループがサンプリングされたほか、昨年Eric SmaxとThomas Gold = Smax & Goldの変名HouzecrushersがNEBULAから「Touch Me」というタイトルでリメイクを出してました。これ知ってたら絶対買ったのになあ。ちなみにヴォーカリストのBarbara RoyはBarbara Gaskinsという名前でも知られますが(たぶんRoyは旧姓)、今Dave Stewartとの共演盤が出てるUKのシンガーBarbara Gaskinとは別人なので注意。んでDave Stewartの方もEurythmicsの人だと今の今まで思ってたらプログレ関係の別人だって。余談でした。





13. Loleatta Holloway - Love Sensation (1980)

79年にDan Hartman「Relight My Fire」(自分の中ではストリングス系ディスコの最高傑作)で共演したのが縁となり、ほぼ同タイプの曲を今度はHartmanがLolettaに提供、SALSOULの傘下レーベルGOLD MIND(ただの偶然だと思いますがMissy ElliottやTweetがいたレーベルもGOLDMINDでしたね)からリリースされてやはり大ヒット。Lolettaと言えばそのパワフルな歌い回しがトレードマーク。それを最大限に引き出すために幾度となくレコーディングを重ね本人が音をあげたというエピソードを持つこの曲は、数ある彼女のヒットの中でも「激唱」と呼ぶにふさわしい強烈なインパクトを聴くものに残す。この声をそのまま無断サンプリングして大ヒットしたのがかのBlack Box「Ride On Time」(90年)で、こんな個性の塊みたいな声を無断で使ってよく「他人です」なんて言い逃れできると思ったもんですが、Lolettaに訴えられてもちろん敗訴してます。それ以外だとUKクラブ史に残るキチガイScorccioことMark Summersが90年代後半に何度かこの曲をネタにしてましたし、2006年にはHi_Tackの割としょうもないアッパーハウスリミックスも出てました。





14. First Choice - Dr. Love (1977)

The SupremesやらThree DegreesやらTLCやらDestiny's Childやら、ブラックミュージックの世界には女性3人組がいつの時代にもいるものですが(今いないが)、First Choiceはフィリーソウル界の要人Norman Harrisが送り出したフィラデルフィア出身の女性3人組。デビュー曲の「Armed And Extremely Dangerous」がTop40ヒットになっているのですが、前出のSALSOUL傘下レーベルGOLD MINDに移籍して放ったこの曲や「Let No Man Put Asunder」(このコンピの続編『Club Classics II』に収録)といった曲の方が今では有名。この曲はHot100でも41位まで上がる大ヒットに。




15. Loleatta Holloway - Dreamin' (1976)

元々The Caravansというゴスペルグループの一員として60年代から活動しており、70年代に入ってからもバラード中心のキャリアを歩んでいたLolettaがディスコディーヴァとして歩みを進めることとなるターニングポイントとなったディスコヒット。70年代中盤までの曲ってボトムが薄く、打ち込み音に慣れた世代としてはイマイチ好きになれなかったのでもともとこの曲は好きじゃなかったんですが、98年にSatoshi Tomiieが出したリミックスを聴いてからまるで印象が変わったのをよく覚えています。





16. Skyy - Here's To You (1980)

かつてBrass Constructionを率いたRandy Mullerがプロデューサーとして送り出した白黒男女混成の8人組。アートワークで奇抜な格好してたりアルバム名に全部SKYYという単語が含まれてたりと色物っぽい挙動の割に、この曲をはじめChicに代表される都会的なNYディスコサウンドを鳴らすことで知られる。この曲は途中に時代がかったシンセが入って来て今の耳で聞くと結構ダサかったりするんだけど、このコンピではそれを狙ってなのかこのシンセが入ってくる前に次の曲に繋いでしまっており、猛烈に洒落たメロウグルーヴとしてのこの曲の側面が最大限に打ち出されてます。3年くらい前にEmeleeっていうマブい白人女子がこの曲をネタにした「Head Over Heels」でこっそりデビューして鳴かず飛ばずでしたが、今彼女どうしてるんでしょ。





17. A Taste Of Honey - Boogie Oogie Oogie (1978)

今までも何度か動画貼ってきた曲ですが。ギタリストとベーシストがともに女性でしかもフロントアクトという特異な編成の、ロサンゼルス出身のR&Bバンドのデビュー曲で、いきなりHot 100、R&B、ディスコの3チャート全てでNo.1を獲得する大ヒットとなった。KCの「That's The Way」と並び、このコンピ収録曲の中でも飛び抜けて知名度の高い曲で、僕らの世代ではDoubleが「Driving All Night」でまんま使いしたり、Brooke Valentine、Fabolous、Yo-YoというメンツがBow Wow主演映画『Roll Bounce』のサントラでカヴァーを披露したのが記憶に新しいところ。このバンドはこの後、坂本九のあの全米No.1ヒットをカヴァーした「Sukiyaki」で再びチャートを席巻することになる。





18. Karen Young - Hot Shot (1978)
既出のJocelyn BrownやLoletta Hollowayのようにディスコディーヴァにはゴスペルをバックグラウンドに持つ人が多いけど、フィラデルフィア出身のKaren Youngはもともとジャズ・シンガーとしてのキャリアを持っているという人。ガラージ史上最重要レーベルの一つWEST END(オーナーのMel CherenはLarry Levanの公私にわたるパートナーで、3年前その回顧録ともいうべき『パラダイス・ガラージの時代』を発表して話題となった)の第一弾アーティストとして契約しリリースされたデビュー曲がこの「Hot Shot」で、彼女のスキャット唱法と軽快なバックのトランペットはジャズ畑出身らしい「粋」な空気を纏っていてこのコンピの中ではやや異色。ディスコチャートではNo.1、Hot 100でも67位まで上がるヒットを記録。91年には39歳の若さで逝去している。





19. Bohannon feat. Dr. Perri Johnson - Let's Start II Dance Again (1981)
Hamilton Bohannonは60年代にMOTOWN専属のアレンジャーとしてキャリアを築き、ドラマーとしてStevie Wonderのツアーバンドにも参加していた経歴を持つ人で、ソロアーティストとしては78年の「Let's Start The Dance」がR&B、ディスコ両チャートでTop10入りするヒットとなったことで知られる。この彼の代表曲を、FMラジオ局のDJだったPerri Johnsonのラップをフィーチュアしてセルフリメイクしたのが「Let's Start II Dance Again」(ただ僕は「I」を持っておらず、「ラップ無し」のものを耳にしたこともないのでどこが違うのかよく分からん)。ボトムのぶっといファンキーなビートがめちゃくちゃカッコよく、今「ファンキーハウス」と呼ばれる曲の多くに欠けている「ファンクネス」とは何なのかが良く分かる。





20. D Train - You're The One For Me (1981)

WEST ENDと並んでNYディスコの最重要レーベルに挙げられるPRELUDEを代表するアーティストのデビュー曲。このCD買った当時特に好きだったのがこの曲でねえ、今でもフツーに空で歌えますよ。元MtomeのキーボーディストだったHubert Eves IIIの作り出すシンセ・ファンクは当時とてもフューチャリスティックな魅力を放っていたんだろうと思うけど、James Williamsのソウルフルなヴォーカルと、メロディラインの完成度=ソングとしての完成度も素晴らしい。本当80〜83年ごろのファンク〜ブラコン系ディスコは恐ろしく品質の高い曲がざくざくあってたまらん。このCDに収録されてるミックス(上の動画と同じ。何とUKのTop Of The Pops出演映像!)の正体がずっと分からなかったんだけど、どうやらPaul Hardcastleのリミックスらしい(コンピでよく聞けるアカペラから始まる音源はアルバムヴァージョン)。





21. The B.B. & Q. Band - On The Beat (1981)

ChangeやPeter Jacques Band(シリーズ続編『Club Classics II』に収録)などのディスコバンドを多数送り出したJacques Fred Petrus & Mauro Maravasiのコンビが手がけたグループの一つで、バンド名はバーベキューではなくてニューヨークの3地区=Brooklyn, Bronks & Queensから。2人ともイタリア人ながら本場アメリカのディスコ/ブラックミュージック市場に切り込んで成功した点でも評価が高く、The B.B. & Q. Bandのデビュー曲である「On The Beat」もR&Bチャート8位のヒットを記録。日本でも一般的なディスコクラシックとして人気があるものの、この曲を収録したセルフタイトル作は長らくCD化されなかったとか。87年、Petrusが暗殺されるというショッキングな形で解散。





22. Musique - Keep On Jumpin' (1979)

CommodoresからCoolioまで手掛けるほどの長いキャリアを持ち、近年では自身の設立したNYディスコレーベルP&Pの音源がレア・ディスコ発掘の文脈で再評価されているPatrick Adamsが仕掛け人となってPRELUDEからデビューさせたディスコプロジェクト。ジャケット写真には映っていない=正式なメンバーということにはなっていないものの、Jocelyn Brownが参加しているという点で後世にも伝えられる。当時のヒットとしてはデビュー曲の「In The Bush」の方が上だったものの、現在では「Keep On Jumpin'」の方がより人気が高いという印象が。96年にTodd TerryがJocelynとMartha Wash(The Weather Girls/C.C. Music Factory)というキャリアもサイズもビッグなディーヴァをフィーチュアしてカヴァーしたヴァージョンはUKでTop10(#6)入りする大ヒットになり、それに対抗するように同年The Lisa Marie Experienceもカヴァー。一昨年にもGUSTOからCornell vs The Lisa Marie Experience名義のカヴァーが出たばかり。



Inner Life
23. Inner Life feat. Jocelyn Brown - Ain't No Mountain High Enough (1981)

Marvin Gaye & Tammi Terrell(67年)、Diana Ross(70年)のヴァージョンがヒットしたことで知られ、近年ではJessica Simpson「A Public Affair」やAmy Winehouse「Tears Dry On Their Own」でのネタ使いも話題になったAshford & Simpson作品のカヴァー。ガラージの文脈では必ずと言っていいほど「こっちの方が断然いい!」などと持ち上げられがちですが、オリジナルになじみの薄い僕としては公平なジャッジは出来ません(笑)。Inner Lifeは前述のPatrick Adamsがプロデュースしたニューヨークディスコサウンドの最重要グループのひとつで、当時既にセッション・シンガーとして活躍していたJocelyn Brownを全面にフィーチュアし、Stan LucasやLeroy Burgessといったシーンの才人を擁した。デビューはPRELUDEからだったが後にSALSOULに移籍、この曲はそのSALSOUL移籍第一弾『Inner Life』(通算3作目で、PRELUDE時代の2作目も同名アルバムなので注意)から。彼らの代表曲のひとつだが、最大のヒットとなったデビュー曲「I'm Caught Up」をはじめ他のヒットにはニューヨークらしい、夜の似合う都会的なサウンドの方が多かったりする。ちなみに98年にはJocelynがソロとしてDavid Moralesのプロデュースで再カヴァーして全英35位を記録。2003年に日本で独自編集されたベストにもリミックスが入ってるけど、Morales版を持ってれば別に要らないかな。



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好評だったら『II』も全曲やってまおうか、とか続編を考えてましたが、
どえらい時間がかかったのでやめておきます。
真っ白に燃え尽きたぜ。。。


posted by Skedge at 00:00| Comment(2) | 音楽ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最初タイトルだけ見て一瞬シカゴハウスの方かと勘違いしそうになりましたが、これ、ジャケット見たことあります!
収録曲は圧巻ですね。全曲レビュー素晴らしいです。
とりあえずブクオフ行ってきますね。
Posted by びびんば at 2009年04月04日 01:21
>びびんばさん

たぶんこの記事ドン引きされてコメントつかねーだろーなーと思ってたので嬉しいです(笑)。びびんばさんこっち方面もイケるんですねー。

>シカゴハウス
...にそういやそんなレーベルがありましたね。僕そっちは未だにさっぱり疎くて。『Dancemania』からシカゴハウスやデトロイトテクノ特集が出なかったことが悔やまれます。何かいいコンピないんですかね?ちゃんと解説までフォローしてくれてるようなの。
Posted by Skedge at 2009年04月04日 03:44
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