2006年02月27日

[Long Hit] Put Your Records On

Corinne Bailey RaePut Your Records On
Corinne Bailey Rae


from "Corinne Bailey Rae"
EMI
Peak: #2 (2/27)
6 weeks at Top10
[2, 3, 5, 5, 5, (11), (11), 10]









「メディアによる持ち上げとそれによる急激なブレイク」という現象に対しては賛否両論さまざまだろうが、BBCの「Sound Of 2006」(今年ブレイクするであろうアーティスト10組を選ぶ毎年恒例の企画)で1位に選出されて大ブレイクを果たすことになったコリーヌ・ベイリー・レイには、その成功に見合うだけの才能と未来への期待を抱かせられる。それに、結果論だがこういう地味な作風のアーティストがメインストリームで注目を集められるのなら”ヨイショ”だってそんなに悪いものでもない。

工業都市として知られるリーズ出身の26歳。西インド諸島出身の父と英ヨークシャー出身の母を持つハーフだ。音楽を始めたきっかけは教会と聞くとどうしても典型的R&Bシンガーのキャリアだなと思ってしまうけれど、「そう言うとみんな(そこで歌っていたのは)ゴスペルだと思うみたいね。私の肌の色が黒いってだけで」と彼女はそれを否定する。あくまでごく普通の中流階級の人々が集まる同胞教会で賛美歌を歌っていただけだという(と言ってもいまいち僕にはどういう違いなんだか分かっていないのだけれど)。自分で作曲を始めた頃にのめり込んでいたのはレッド・ツェッペリン。やがて15歳でヘレンというガールズ・バンドを結成し、ニッケルバックやスリップノットで知られるロードランナー・レコーズと契約する一歩手前まで行ったというからむしろ彼女の音楽的なバックグラウンドはロックの方が大きかったのかもしれない。現在のソウル志向は、バンドの崩壊後に大学での勉学の傍ら働いたジャズ・クラブでのステージ体験が直接的な契機のようだ。

2004年にEMIと契約した彼女は自身のデビューの前にザ・スティクスやザ・ニュー・マスターサウンズといったUKのアシッドジャズ/ファンク系グループにフィーチュアされてその歌声を披露しており、スティクスとの「Young And Foolish」はあまり知られていないが彼女のチャートデビュー曲でもある(88位/05年4月)。おそらくこの時点で早耳な一部リスナーの間では話題になっていたと見え、続く自身のデビュー曲「Like A Star」はTop40に入るまずまずの成功を収めた。

そしてこの「Put Your Records On」。アメリカでもRadio & Recordsのスムースジャズ・チャートでヒット中のこの曲は前述のコラボ曲や「Like A Star」に比べるとややアッパーでコンテンポラリーな印象を受ける、よりシングル向きのキャッチーな曲。春の陽気のような晴れやかかつゆったりとしたグルーヴが心地良く、また彼女の歌声もインディア・アリーやジル・スコットといったネオ・ソウル系やシャーデー、あるいはミニ・リパートンなんてレジェンド級のシンガーまで引き合いに出されて話題に。アルバム『Corinne Bailey Rae』は堂々初登場1位、その後も安定したセールスで上位をキープしている。

残念ながら日本盤発売は7月と随分遅いが、東芝EMIは輸入盤のリリースと同時に大々的な宣伝攻勢を展開している。今はじっくりと洋楽ファンの間に彼女の名前を浸透させてからデビューさせる戦略なのだろうが、ここ最近東芝はキキ(キエラ・シェアード)やネイト・ジェームスといった(本国ではポップブレイクしていない)ソウル系シンガーを次々当てて波に載っているところなので、コリーヌの売込みをどのように展開してくるかも見守りつつ、今はこの曲を聞きながらゆったりした気持ちで日本デビューを待ちたい。


(2006/5/21)
posted by Skedge at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | UK #1's & Long Hits | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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