2014年01月19日

Albums Of 2013 GC Choice #10 - #5

迷っててもどうせ決まらないし考えてもどうせまとまらないんだからと
勢いで決めて勢いで書いた年間アルバムベスト記事です。
今年は上位4枚がめちゃめちゃ良くて、


1 2 3 4 >>>>> 5 6 7 8 9 10

という感じで上位4枚は正直どれが1位でもいいや、
10位から5位の6枚も気分でいくらでも入れ替わりそう、という感じなので
とりあえず5位までの6枚を一気に載せます。






Nothing Was The Same.jpg
#10 Drake "Nothing Was The Same" (OVO Sound / Young Money / Cash Money / Republic)

僕は基本的にDrakeがやることなら大体なんでも好きで、正確に言うとDrake本人というより彼を支えるNoah "40" Shebibのプロダクションが好きなんじゃないかなと自分でも思ったりするんだけど(彼のライミングの面白さは僕にはほぼ分からんわけだし)、アルバムは正直毎回出るたびにそこまでピンと来るものはない。というのも、僕の中でこの人の曲は聞いてすぐ「!」ってなるタイプの曲と、かなり時間をかけてだんだん気に入っていく曲との二極化が結構激しくて、アルバムが出て数か月の段階だとよく判別がつかないんだよね。ないんだけど、なんとなく毎回ベストには入れてしまうし、結果的に1年2年経ってみて、まあこれくらいの位置に入れといてよかったよね、くらいにいつも思う。

今回の3rdはそれで行くと、ちょっと雲行きが怪しいかも。「!」タイプだった80'sマナーなポップヒット「Hold On, We're Going Home」は別として、いつにもまして引っかかる曲がないんだよなあ。デビュー時から大きな路線変更がなくこのストイックさを堅持してきているので、こんなスタイルで売れ続けてること自体がすごい偉業だとは思うんだけど、どうしても目新しさがだんだん後退しているのは否めない。むしろゲストで出てきて主役にお構いなくDrake色に染めちゃう客演物の方が今は聞いてて面白いかも。あといろいろ反対あると思うけどやっぱりAaliyahの”新作”は聴いてみたい。










Sasha Never Say Never 2013.jpg
#9 Sasha "Never Say Never 2013" (Mixmag)

Sean Paulの「I'm Still In Love」で歌ってたレゲエの女性シンガーじゃないよ。彼女よりキャリアの長いクラブミュージックの人。毎月恒例mixmag誌のMixCDだけど、年間ベストにまで届いたのは2009年のDuck Sauce以来か。

チャート的に流行った2003年くらいまでは僕もそこそこトランス聴いてたのですが、Sashaって当時からプログレッシヴトランスというベールを一枚隔てた世界の人という感じがしてよく知らなかったし、ぶっちゃけこうしてベストに選んでる今ですらよく分かってなかったりする。そもそもこの人は同じプログレでもハウス寄りの人みたいなのでトランスと呼ぶこと自体間違ってる気がするけど、このMixに至ってはディープハウス〜アンビエントハウスの色が濃く、聞いてて非常に気持ちがいい。普段こういうの退屈に思ってスルーすることが多いんでなおのこと印象が強かった。EDMみたいなうるっさいのも好きだけど、こういうのだってダンスミュージックなのである。今でもこのCD以外では聴くことができないっぽいChaim「What's Your Name」ってトラックがキラー。早く正規リリースしてくれ。

タイトルに「2013」と銘打ってある通りこれはmixmag誌のMixCDとしても第2弾らしく、第1弾は2011年の12月号。なんと持ってなかった!ここ5年くらい毎月買ってると思ってたので買い逃しに今気づいたのですが、それがよりによってこれの第1弾ってのは悔しいなあ。










The Last Ship.jpg
#8 Sting "The Last Ship" (Cherrytree / A&M Records)

2000年代はもう自身のライフワークと化していた各国ワールドミュージック巡りからさらにぶっ飛んで17世紀のリュート奏者とか時代まで超えたあっちの世界を旅しまくっていたSting。欧州各国の民謡や教会音楽を扱った前作『If On The Winter's Night…』(09年年間1位→当時の記事)の時に「いい加減次はポップなことやるかも」などと言っていましたが、”10年ぶり(つまり2003年の『Sacred Love』以来)のオリジナル作!”と銘打たれた今作の1曲目で流れてくるのは、いきなり「イエス復活を知るマグダラのマリア」…



おいオヤジ



…やっぱり全っ然帰ってきてねえ!!!
というわけで、『Winter』やその前の『Labyrinth』(06年)のほぼ延長といえる作風のアルバム。どうも「次にやるポップなこと」というのは、オーケストラアレンジによるオヤジギャグ丸出しなネーミングセンスのヒット曲ライヴ集『Symphonicities』(10年)のことだった模様。ううむ…。(どうでもいいけどこの人無神論者だか不可知論者だかだったはずなのに聖書ネタ好きすぎないか?)

作風だけでなく、故郷ニューカッスルの造船業界が辿った栄枯盛衰を描くというミュージカル化を前提としたコンセプトのめんどくささも相変わらず。ただ音としてはやはりテーマがテーマだけに、欧州全土から歌をかき集めてきた『Winter』とは違ってイングランド北東部のフォークソングに焦点があてられており、それが昨今のルーツ回帰なミュージックシーンとの親和性を見せている気がしなくもない。ゲストもほぼ地元出身者で固めたようで、その中にAC/DCのBrian Johnson(輸入盤デラックスエディションや国内盤収録のボーナストラックに参加)が含まれているのもロックリスナーにとってはそれなりに興味深い点なのかもしれない。それに、冒頭ではイエスの復活、ラストでは女王陛下の外遊(を見つめる労働者?)の様子という別の歌詞を当てて2回登場するタイトル曲のメロディラインがまごうとなきSting節だったりして、ファンとしては結構面白かったのよねえ。










Rudimental Home.jpg
#7 Rudimental "Home" (Asylum / Atlantic / Black Butter)

先行したシングル2曲「Feel The Love」「Waiting All Night」とこのアルバム本体が全て全英No.1を獲得ということで2013年のイギリスでかなりの存在感を誇ったと思われる4人組ドラムンベース・ユニット。バキバキでサイバーな感触のドラムンベース系ヒットが多い中で彼らは妙にストリートの砂埃を思わせるマットな質感のトラックだったので気になってアルバムを買ってみたんだけど、予想通りかなりUKベース〜アーバン色の強い作品だった。DJ FreshやSub Focus、Chase & Status、Matrix & FutureboundなどがEDM的な音も取り入れながらチャート上でも大活躍するようになったこのジャンルだけど、彼らとは一線を画すRudimentalの独自性が実はジャングル→レゲエと連なるドラムンベースの本流に位置しているように思えるのは面白い。「Ruffneck」とかやってた頃のFreestylersに近い存在か。

アルバム前にはUK Funkyのトラックばっかり出してたこともあったりするらしく、このアルバムでも一際耳を引いたのはJackin Houseスタイルの「Baby」。つーかこればっかり聴いてた(現に再生回数で年間4位だった)。国内盤を買えばいつの間にかディスコに転向してしまったSkreamのリミックスもついてて、思いのほか引き出しの多い音が楽しめます。前述の「Baby」に参加してたMNEKや現在USブレイクが見込まれるJohn Newman、BBC Sound Of 2014選出のElla Eyre、このアルバム参加前に既に名声を得ていたEmili SandeやAlex Clare、Zedd「Clarity」で大ブレイクしたFoxesなど、注目の若手が一度に楽しめるショウケースとしても非常に有用で、今一つ作品としては批評的な評価はついてこなかったけど数年後にこの人選センスがものすごく賞賛されてるかもしれない。










Perfume Level3.jpg
#6 Perfume "LEVEL3" (Universal J / Perfume)

僕ねえ、「ポリリズム」が出たときも一応DVD付シングルを買ったりして、それなりに早く彼女たちの登場には対応できてたんだけど、肝心の曲に今一つハマれなかったんだよね。ダンスミュージックとアイドルを高次元で融合とか言われても、これじゃ踊れないっしょって。他の人が「つーかシングルにクラブユースなExtended Mixとか入れてからダンスミュージック名乗れ」とか言ってるのにすんごい同調したりとか。

それがこのアルバムの「Spring Of Life」のAlbum Mix、あらこれものすごくまっとうなExtendedじゃありませんか。つーか何このアルバムめっちゃバッキバキやないの。…うん、これなら踊れるわ。つーか自分がDJならこのAlbum Mixを普通に他のEDMに混ぜてかけてみたいわ。とか思った。

僕がPerfume嫌いを突然克服した「Spending All My Time」以降のシングルを含む、なんか想像してた以上にアッパーな4th。「Spending…」のときに無暗なダンスミュージック化を嫌がってただけにこのサウンドメイキングは結構驚き(特に中盤に配された長尺の「Party Maker」)だけど、個人的には歓迎。この流れと反するように、今まで割とずっと好きで追っかけてきたcapsuleの新作がつまんなくなってたんだけど、どうもヤスタカ、これまでcapsuleでやってた「J-Popとクラブミュージックの融合」みたいなことをそのままPerfumeに適用して、capsuleでは彼が予てから標榜してた通りの実験的なサウンドを追求するつもりになったんじゃないかと(それで出てくる発想がまたDaft Punk的なのはどうかと思うが)。それにしても「ポリリズム」やcapsuleの「Sugarless GiRL」と比べるとダンスミュージックとしてもんのすごくブラッシュアップされてるよなあ今のヤスタカ。まあそれはだいぶ前からなんだけど。

ただPerfumeサイドとしては、前述の発言もあることだし、このより本格的なダンスミュージック化についてはどう思ってるんだろう。このアルバムの後に出たシングル「Sweet Refrain」なんかジャケ写やビデオまでなんかそっちに行きつつある気がするけど、『LEVEL3』のリードトラックに選ばれたのが、従来の”テクノポップ”的イメージが比較的濃い「1mm」だったのはある種の迷いや古参ファンへのエクスキューズだったりするのだろうか?










Arctic Monkeys AM.jpg
#5 Arctic Monkeys "AM" (Domino)

ああそれにしても終わりの見えないロック冬の時代。辛うじて生き延びた連中はみんなEDMまがいの音を出すかMumford & Sonsの2番煎じみたいなアコースティックサウンドを鳴らして何とかヒットチャートにしがみついてるけど、そんな時代にあくまでもバンドとして、ロックンロールとしてのカッコよさを追求し続ける彼らの姿はロックファンにとってさぞ頼もしく見えることだろう。先行シングル群がいつになく順調にヒットするのでこりゃアルバムも相当売れそうだと思ってたけど、いざ発売されてみたら全英アルバム1位はもちろんのこと、各媒体ほとんど諸手を挙げての歓迎。年間ベストでもNMEとQの1位選出を筆頭に軒並み上位。UKでロングヒットになった「Do I Wanna Know」で遂にHot 100にも登場して彼らを取り巻く熱狂がとうとうUSにまで及んでいる。

その「Do I Wanna Know」と「R U Mine」の冒頭シングル2曲に象徴される、ハードロック的なリフのダイナミズムがロックメディアにはやっぱり最大の萌えポイントなんでしょうか。今作の影響源にBlack Sabbathら70'sロックと共にOutkastの名が挙がってるとおり、久々の全英Top10ヒットになった「Why'd You Only Call Me When You High?」の妙にR&Bっぽい黒光りするベースラインが僕の一番の萌えポイントだったりするんだけど、バンドサウンドというフォーマットから外れずにこういうモダンな質感を加えて進化を続けてることが最大の評価点なんだろうな。あとずっとThe Last Shadow Puppetsの2ndを待ってる身としては、突然スタンダードナンバーっぽいメロディーが流れる「No.1 Party Anthem」からの3曲に「あああAlexのあのポップセンスがふたたび!」みたいに相当グッと来てたり。いやー色んな音が楽しめて単純に楽しいアルバムですわ。カッコいいロックなら俺だって聞きたいのよ。







残りの4枚は覚えてたら年内には書く。
posted by Skedge at 20:57| Comment(2) | 年間ベスト選考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この中で持ってるアルバムの被りはドレイクとルジメンの2枚ですね。ルジメンはほんとゲストのチョイスがかなりいい感じです。今年のSub Focusや、去年のDJ Freshと比べてもドラムンベース色はかなり薄めで普通にポップス作品としても聴ける感じですね。
Posted by はまべ at 2014年01月21日 20:03
>はまべさん

いつもレスありがとうございます。
RudimentalはタイプとしてはShy FXとかDJ Zincあたりのストリートっぽい方々に近いのかもしれないですが、ここまで間口が広いとそもそもD'n'Bっていう狭い枠組みにはあんまり興味なかったりして、という気もします。たまたまそっち路線で当てまくっただけで。
Posted by Skedge at 2014年01月23日 12:35
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