2007年04月22日

[No.143] LCD Soundsystem / North American Scum

North American Scum.jpg1. North American Scum 5:28
2. North American Scum (Kris Menace Remix) 6:02
3. North American Scum (Onastic Dub) 8:56
4. Hippie Priest Bum-Out 4:26
5. Video Thingy (Enhanced Section/Music Video)

Area: EU (UK?)
Label: DFA / EMI
Catalog#: DFAEMI2165CD
Release: Mar. 2007
Chart: N/A




LCD Soundsystem = DFA。どうにもこの人たちの立ち位置がよく分からない。最初に彼らの名前を知ったのはRaptureやRadio4らのいわゆるNYディスコパンク勢の元締め的存在という肩書きから。ユニットと同じ名のDFAレーベルからロック×ダンス的なサウンドを数年前の段階で発信し、GorillazやNine Inch Nails、Junior SeniorなどDFAとしてのリミックスでロック勢との絡みも多数。というわけでだーいぶインディロック寄りの音を出している印象が強く、今ひとつ僕からは関心の薄いポジションにいた人たちなのでここらへんのリミックスも全然ピンと来ず、LCDとしてのセルフタイトルド・デビュー作もまるで気にしてなかったのだけれどその年のロック系メディアではやたらと年間ベスト選考に選出されていて、あーなるほどそっちで愛でられていく人たちなのねと納得した。ここまではいい。


で、こんだけ先駆者的な威厳と実績を積み上げた彼らが、ニューレイヴという言葉で騒がしい今のタイミングで新作を出したというのに、なんかおもっくそスルーされてないか?ついでに去年のRaptureもRadio4も煮え切らないまんま流されて後発のUK新人KlaxonsやEnter Shikariに全部美味しいところ持ってかれてるし。NY勢ではレーベル違いのScissor Sistersが大成功してるけどちょっと毛色が違う上、自身の存在の延長線上にJames BluntやDaniel Powterらピアノ系SSWとのクロスポイント=MIKAが出てきたあたりはもう全然別ベクトルだし、なんだかNYディスコパンク界の面目丸つぶれじゃないかい?ひょっとしたら彼らはエレクトロ界に於けるErol Alkanみたいな、メディアの注目やチャート上での成功という形には出てこない裏ボスみたいな形でよりコアなところから崇拝されていくのかな。


(ちなみに日本でも東芝さん特に売る気ないみたいで、ニューレイヴ/エレクトロ系の時流に載せて紹介するのは5月出走のDigitalismにした模様です。5月の洋楽部門プライムアーティスト扱い。まあ他の5月発売がErasure、Smujii、以上、みたいな状態なので致し方ないってだけだと思いますが。他社がAvril(BMG)、Linkin(WARNER)、Ne-Yo(UNIVERSAL)、Maroon5(同)、Beyonce再発(SONY)、ヒラダフ(AVEX)、Arctic Monkeys(インディーズ)など大商いを次々繰り出しているこの春、Joss Stoneが今ひとつ爆発しなかった東芝は今さらCeltic Womanを軸にしたコンピを作るとかしかやることがありません。ついでに邦楽も、5月は新人のBase Ball Bearを筆頭で推さざるをえないほどの驚異的な層の薄さ。泣けるを通り越して本気でヤバそう)



話が逸れましたが、そのイマイチ注目されてない(気がする)2nd『Sound Of Silver』からのリードシングル。紹介しといてナンですが、メンバーのJames Murphyも参加している半セルフリミックスのOnastic Dub、それからMVも含めて何が面白いんだかさっぱり分かりません。完全に自分の世界の外で鳴ってるインディー・ロック。なんですが、Tr.2のKris Menaceのリミックス、これが原曲無視の冷感ディスコハウスになっててめちゃくちゃヤバいのです。昨年DEFECTEDからリリースされたLifelike & Kris Menace「Discopolis」で知ったばかりでまだ自分的には馴染みが薄い名前なんですが、元々「Discopolis」がAlan BraxeのレーベルVULTUREからのリリースで、一緒にイビザでDJしてたりもするということでBraxeに近い人物、つまりはDaft Punkファミリーの一員のようですね。こういう聴く者の表情を凍りつかせるようなサウンドメイキングは北欧、特にRoyksoppやLindstromを輩出しているノルウェーっぽいなあと思ってたのですが、おフランスか。


ここで一見芸風が一致しないLCDとKris Menaceがダフパンという接点を共有してることが分かったんですが(LCDのシングルヒットには「Daft Punk Is Playing At My House」というタイトルの曲がある)、そもそもダフパンの本質はテクノ・ミーツ・ロックみたいな、ロックリスナーの解釈しやすい交配ではなくファンクです。何かと自信の無い物言いの僕が珍しく言い切ります。ファンクです。George DukeやGap Bandといったファンククラシックスにサンプルソースを求める行為はフランス産以外では、というかダフパンとその取り巻き以外では見たことがありませんから。


まあKris Menaceに関しては今まで聴いた限りではディスコダブとかと共鳴するようなセンスを持ってる気がするのでファンク趣味があるのかどうかは僕には分かりませんが、ここでLCDと絡んだからといって今後ロックシーンに首を突っ込んで注目を浴びるってことはなさそうですね。もちろんダフパン本体はそちらとも関わりが大きく、リミキサーにDigitalismやSoulwaxを使ったこともあるので互いに何らかの影響は及ぼしあうでしょうし、Aran Braxeも過去にTest Iciclesをリミックスした時はかなりあちら寄りの音に仕上げていた記憶があるのでこの一派と今のニューレイヴな動きとの絡みも多少は見られると思いますが。でもこの一派の作るうねるようなグルーヴは僕にとってのハウスの理想系の一つなので、ロックとつるむのは同郷のKITSUNE一派に任せてこういう路線をこれからも保持し続けて欲しいです。早速Robbie Williams & PSBの「She's Madonna」のリミックスも任されていたので、Kris Menaceの名前を目撃する機会自体はきっと増えていくでしょうね。Kylie Minogueなんか喜んで起用しそう。って全然LCDの話と関係なくなってますが・・・



※ちなみにMV除く4トラック、全部国内盤アルバムにボートラ収録されてます。




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LCD Soundsystem / North American Scum (Kris Menace Remix) (WMA, Full-Sized)
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