2014年11月15日

僕の中だけの一発屋たち

「一発屋」という概念がある。
ヒット曲が1曲しかない、あるいは他にもないわけじゃないんだけど
ある1曲だけが突出しているアーティストを半ば揶揄して指す言い方。
例えば「James Bluntの代表曲と言えば?」とくれば誰もが「You're Beautiful」と答える。
これはこの曲なりアーティストなりを知ってたら異論の余地はない。

けど、そういう一般の話とは別に、あるでしょう、「あなたの心の一発屋」。
他にヒット曲あるんだけど、知らないわけじゃないんだけど、この曲だけ、好き。
そういうやつ。
この場合、その「この曲だけ」が必ずしも世間的に彼の人の代表曲とは限らない。
つうか、そんなのいくらでもズレる。当たり前だと思う。

当たり前だと思うけど、でも敢えて考えてみよう、
「James Bluntの曲で何か好きな曲ある?」と問うて、返ってきたのが「1973」だったとして。



え?そこ?



ってなりますよね。
これが「You’re Beautifulも好きだけど1973の方が好み」とかなら全然普通だけど
「他は知らん」とか「興味ない」と言われたら、なぜ敢えてそっちだけ、ってなるよね?

人から見たらこれって結構面白いんじゃないかと思って、
僕にとってのそういう「世間とズレてる自分内一発屋」を発表してこうと思いつきました。
ちなみに以下のリストにJames Bluntのような「世間的な意味での一発屋」はいません。
むしろ「他にもいろいろあるだろうに、なぜそれ一択…」というのがこの記事の趣旨です。
知ってはいる、しかし忘れてたよそんな曲、というモヤっとしたヒット曲のリストをお楽しみください。
(若干「ダメヒット」のコーナーと主旨が被ってるのは気にしないことにしておく)



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何でこんなことを急に思い立ったかというと、先日ツイッターで







こんなことをつぶやいたんですが、じゃあ「俺チャートのギターロックの最高成績って誰だっけ?」
と思って見返してみたら、









Nickelback - Savin' Me (#19 US, 2006)

これでした。(2006年3位。最高3位のロックは他にもあったけど)
確かに好きな曲なんだけど、「過去8年で僕にとって最高のギターロックはコレです!」って言ったら
ロックファンから総ツッコミ食らいそうだなあ、と思って。
これはNickelbackで唯一好き、というわけではなくて、同じくらい「Someday」も好きなんですけど、
でもどっちにしろ、「How You Remind Me」差し置いてそこかい!と
モヤモヤするチョイスじゃないですか?モヤモヤしますよね?
なんか自分で書いてて不安になってきた。
まあでもとにかくこの曲がきっかけで、他にも探して(思い出して)みようと思ったのでした。







The All-American Rejects - Move Along (#15 US, 2006)

で、色々考えてみると、僕の場合そういうのはロックが多いですね。
元々そんな関心のあるジャンルじゃないから、チャートでふと遭遇した曲をたまたま気に入って
でも次のアルバムが出るころにはバンド丸ごと興味なくしてる、とかなりがち。
彼らの場合この曲の入ってるアルバムの曲で同じくらい気に入ったのがあるんですけど
これの一個前の出世作「Dirty Little Secret」や
この後出た最大のヒット「Gives You Hell」なんかは全く興味なし。







Green Day - Holiday (#19 US, 2005)

Green Dayは世代的にも属性的にも90年代の全盛期を全く通過しておらず、
それでいて「American Idiot」も「Boulevard Of Broken Dreams」も好きじゃないのに
その直後のこれだけひっかかった。なんでなのか当時自分でも不思議でした。






Santana feat. Chad Kroeger - Into The Night (#26 US, 2007)

キャリアが長い人が自分内一発屋になってると
他人から見たときのモヤモヤ度はさらに高まると思いますが、
Santana40年の歴史でこれがベスト&オンリーってあんまりな選択だ。
一応今のところ最後のTop40ヒット、という意味ではそれなりに価値のある曲だけど、
セルアウトポップヒット連発期に限ってもあるだろアレとかアレとか!と
方々からツッコミが入るだろうし、ましてやクラシックロックファンが集うロックバーとかで
「Santanaとかも聞きますよー」って言ってこの曲なんか挙げたら生きて帰ってこれないだろうな。






Outkast - Roses (#9 US, 2004)

あとさっきからやけに00's半ばの曲が多いのですがこれも理由があって、
僕が全米チャートをリアルタイムで追っかけはじめたのが2004年の秋ごろなんですけど、
それ以前に代表曲があって、それ以後に中途半端なヒット曲があると
後者だけ僕のアンテナに引っかかった、というケースが多いんですよ。
これなんかまさにそれです。しかもこれ以降ヒット曲が出てないですからね。
Outkastが好き、という人は『Speakerboxxx/The Love Below』をどう見るかで
二派に分かれると思いますが、どっちから見ても何でや!というチョイス。






Akon - Bananza [Belly Dancer] (#30 US, 2005)

Akonは慣れるまでこの声が嫌いで、慣れたと思ったら2006〜07年あたりで無暗に売れまくって
すんごいウザかったんですが、その狭間でちょろっとヒットしたこの曲になぜかハマりました。
「なんでよりによってその曲だけ好きなの?」と問われたら
自分なりにきちんとした理由のある曲も多いんだけど、これは自分でも分からん。
分からんけど今でもときどきカラオケで歌う。






中島美嘉 - Love Addict (#4 JP, 2003)

J-Popでもやってみようと思ったんですが、J-Popの自分内一発屋は
「ああ、洋楽好きな人だからコレだけは好きなんだね」と一瞬で見抜けてしまうような気がする。
これは大沢伸一に昔取った杵柄を振り回させたクラブ・ジャズ。
いかにも僕みたいな人間がピックアップしそうな曲だよなあ。







Perfume - Spending All My Time (#2 JP, 2012)

「ああはいはい、洋楽が好きなんだね、ダンスミュージックの人だもんね」という声が聞こえてきそう。
どうでもいいけどこれの「世界進出」用Radio Editくそダサかったですね。
ちょっと期待してたのに。







東京事変 - 修羅場 (#5 JP, 2005)

あ!これどうだろう!これも僕のディスコ/ファンク趣味を知ってる人なら
「ああイントロ5秒のベースで即オチしたのね」と光速で見抜くと思いますが、
でも「ソロも含めた椎名林檎の全キャリアでこれだけが突出して好き」となると
いくら好みの話とはいえ何か納得のいかないモヤモヤ感がないですかね。





ちなみにここから先は「自分内一発屋」だからってこういうのはダメ、という例を。







Taio Cruz feat. Luciana - Come On Girl (#5 UK, 2008)

ああ!みなさん(これ読んでる人複数いるのか?)、曲名右のチャート表記が
今までずっと”US”だったのにここで”UK”に変わったのにお気づきですか!
確かにこれ、この曲は飛びぬけて好き!という意味では条件通りなんですけど、この
「お前らはUS進出後のTaioしか知らないだろうけど、それ以前にこういうUKヒットあったんだぜ」
とでも言いたげなこのチョイス!ああもうこういうのは全然ダメだダメだ!
この企画の趣旨はマニア知識のひけらかしじゃないのです。
ちゃんとみんな[要出典・誰?]に伝わる範囲をわきまえてもらわないと。
そういう意味でUKヒットはなかなかさじ加減が難しい。
同じことがUSでポップヒットのあるラテンスター(Shakiraとか)にも言えます。
つうか、「みんなに伝わる」とか言うならそもそもTaio Cruzという選択自体が危ういです。






Christina Milian feat. Joe Budden - Whatever U Want (#100 US/#9 UK, 2004)

しかし同じUKヒットでも「アメリカのアーティストが母国でヒットさせられなかった曲を
イギリス国民が拾った」という形になると風向きが変わってくるのがまた難しい。
これだと「ああ、Dip It Low(05年米5位)の次の曲ってUKでは売れたんだよね」みたいな感じで
意外と把握してるビルボードウォッチャーも少なくないと思うのです。
ただこの曲に限って言うと、僕の感じてる範囲だと他のUSヒットよりも
全力でこっちが好き!という人が多く生息してる気配なので企画の趣旨的に微妙です。
これだと「お前分かってるな!」とか言われかねない。求めてるのはそれじゃない。






Mutemath - Goodbye (2009)

さっきのTaioの例をより先鋭化してみました。最悪ですね。
こんな一部のインディー好きがジメジメ聞いてるようなバンドの、それもアルバム曲を持ってきて
どこにどんな感想を求めてんだてめーはって感じです。
そんなに「わーこんな曲知ってるなんてセンスいいー(棒)」とか言われたいのか。
(ちなみにこの曲が僕の知ってる&好きな彼らの唯一の曲であること自体は本当です)
やっぱりアーティスト自体はメジャーなところを選ばないとそもそも企画が成立しません。






Britney Spears - Gimme More (#3 US, 2007)

というわけでどメジャーなところを持ってきました。
いや、さすがにブリの場合これが唯一好きな曲ってわけじゃないんですけど、
でも前から「もしかして僕とブリの付き合い方、おかしくね?」とずっと思ってまして。
この曲に関しては僕の普段の音の好みと、あと当時のDanja(この曲のプロデューサー)の
立ち位置の面白さを覚えてる人ならそれなりに分かる選択かもしれないですけど、
他に好きな曲を挙げてくと「Work Bitch」「Oops!...I Did It Again」
「Overprotected」「I Wanna Go」「Me Against The Music」って
いつまで経っても大事な曲が出てこない感。その割に「Oops!」は普通に選ぶという。







Christina Aguilera - Candyman (#25 US, 2007)

ブリが出たなら当然アギも出すべきでしょう。
こっちは以下「Fighter」「Dirrty」「Lady Marmalade」とブリほどヒネった選択じゃないと
自分では思ってるんですが…改めてチャート記録と照らし合わせるとどっちもどっちかもしれない。
アギの場合、No.1を連発した1stアルバムが未だに僕の中で空白のまま残っちゃってるんですよねえ。
「Genie In The Bottle」でさえ観月ありさのカヴァーの方が馴染みのある始末です。






Lady Gaga feat. Beyonce - Telephone (#3 US, 2010)

Gagaも複数好きな曲あるので企画の趣旨にはあまり沿わんのですがこれは頭一つ抜けてるかな。
でも「みんなが1番」に選ぶことはないにせよ、これが1番、って人がいるという事実に対しては
それほど意外性のない選曲かなあこれは。
ここで力強く「LoveGame」「Judas」「Alejandro」あたりを推されるとモヤっときそうです。
こういう時に「Marry The Night」とか「Eh Eh」とか言っちゃう奴はただのあまのじゃくで面白くない。






2Pac feat. Elton John - Ghetto Gospel (#1 UK, 2005)

最後、自分がチャート追っかけるようになったころにはもう死んでた、というパターン。
僕は基本的にリアルタイム以前に遡って音楽を聴くってあまりしないので、
こうなってくると「死んだ後に周りが勝手に出した曲」だけが自分内ヒットになってしまって
真っ当なファンとはどうやっても手を取り合えなくなります。
でもいい曲だよねえこれ。これが没音源をもとに作られてるの!?と驚愕した、
という意味ではちょっとはPacの凄さが分かったような気はしました。





The Notorious B.I.G. feat. Diddy, Nelly, Jagged Edge & Avery Storm - Nasty Girl (#43 US/#1 UK, 2006)

しかし「相方」Biggieの死後作は反対に生前の彼の何が凄かったのか1ミリも伝わらないエロソング。
そもそもPacみたいにハイクオリティな没音源がごろごろある方がおかしいのでしょうがないのですが。
凄い好きな曲ではあるんだけど、これはさすがに可哀そうでは…とちょっと気になってた。
ちなみに「Ghetto Gospel」とこれ、相次いでUKで1位取ってるんですよねえ。
何もそこまで比べてやらんでも。





以上、相変わらずバカみたいに長かったので最後まで読んでくれた人が何人いるのか謎だが。
これ自分で書いててもまあそこそこ面白いんだけど、どちらかというと他の人のリストに
「なぜその曲を…」とツッコんだほうが絶対楽しいのでブログ持ちは自分とこでやってほしいです。

しかし書く前から分かってたけど、主観的にもほどがあるよね、この記事…。
posted by Skedge at 11:19| Comment(2) | 音楽ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰してます。
ここでとりあげていたアーティストは、皆多くのヒット曲を持ってますので、好きな曲がばらつくのは普通だと思います。投票とかで、集計された順位よりも投票者個別の順位の方が面白いのはその辺かなと。

James Bluntの場合だと、アレしか知らない人が大多数なので、シングル曲全て知ってる人だけを対象にどれが好きかと問いつめれば面白そうですね。

所謂ギターロックは、昔の以外では、私もこの1年で買ったのはQOTSAとThe Black Keysくらいでしょうか。Jack Whiteの今回のは比較的ラウドですけど。もはやジャンルとしても成立してないと思うので、探すならカントリーとか漁った方がいいかもしれません。5SOSとかの将来への影響も限定的だと思います。10年前のBustedのときも同じように言われてましたし。
Posted by けい at 2014年11月15日 14:39
>けいさん

おお、おひさしぶりです!

>好きな曲がばらつくのは普通
って言われちゃったらネタが成立しないじゃないですか!まあその通りなんですけど。実はこれmeantimeの00's投票の投票者別順位を見てて思いついたんですよね。

James Bluntのシングルを全部知ってる人って、Mutemathのアルバム曲で話が盛り上がる人より少ないんじゃないでしょうか、絶対数でも生息密度でも…。

Carrie Underwoodの「Good Girl」なんかはそんな感覚で聞いてましたが、あの辺の「ロック」ってセンスが80年代以前じゃないですか。だからちょっと僕の求めるものと違うんですよねー。

>Busted
忘れてました。言われてみれば当時BustedやMcFlyを聞いてた人たちはどこへ消えたんでしょうね。まあ当時は別にロックが落ち目じゃなかった、というか今思えば(今と比べれば)非常に活気があった時期のような気すらします。
Posted by Skedge at 2014年11月25日 11:36
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