2005年06月19日

The Black Eyed Peas 『Monkey Business』

Monkey Business.jpg[HIP HOP / POP]

1. Pump It 3:33
2. Don't Phunk With My Heart 3:59
3. My Style (pheat. Justin Timberlake) 4:29
4. Don't Lie 3:39
5. My Humps 5:27
6. Like That (feat. Q-Tip, Talib Kweli, Cee-Lo & John Legend) 4:34
7. Dum Diddly (pheat. Dante Santiago) 4:20
8. Feel It 4:19
9. Gone Going (pheat. Jack Johnson) 3:14
10. They Don't Want Music (pheat. James Brown) 6:47
11. Disco Club 3:48
12. Bebot 3:30
13. Ba Bump 3:57
14. Audio Delite At Low Fidelity 5:30
15. Union (pheat. Sting) 5:04
16. Do What You Want 4:02 -bonus track-
17. If You Want Love 4:54 -bonus track-
18. Make Them Hear You 3:19 -bonus track-

Edition: Japan (Limited Low Price)
Label: UNIVERSAL
Release Date: May 2005



ゲストにはJustin Timberlake、Sting、James Brown、Jack Johnson、John Legendなどなど。更に今回は見送られたけど、The DarknessのJustin Hawkinsとコラボる企画もあったらしい。m-floみたいだ。そして何故かイニシャルJだらけ。


今週ビルボードのアルバムチャート初登場2位デビュー、日本でもオリコン3位で未だTop 10内をキープ。世界的に売れている。上に挙げた豪華ゲスト陣がより幅広い層の興味を引くことに貢献しているのは確かだろうし、内容のほうもバラエティに富みつつ前作からのシングルヒットによって作り上げたパブリック・イメージにきちんと応えられているという点では好感が持てる。・・・持てるんだが。


My lyrics out can split atoms like Hiroshima and Nagasaki
俺のリリックはヒロシマやナガサキみたいに 原子爆弾ドロップしてやんのさ(対訳より)
"Like That" feat. Q-Tip, Talib Kweli, Cee-Lo & John Legend


なんじゃこのリリックは!!!


待て待て待て。これはどういうことだ。
じゃあお前らな、日本人のラッパーが「俺らのライム真珠湾みたく奇襲」ってラップしても平気か。アラブのヒップホップグループ(そんなもん実在するかどうか知らんが)が「このshitは衝撃的 まるで911」とか言ってたらそれに耐えられるのか。真珠湾攻撃や911テロに対する認識がどうとか関係なく、そんなもん絶対あかんだろ、シャレでもあかんだろ。よくもまぁ「当事者」の側がこんなリリックをズケズケと書けるもんだ。しかもこれ、直前の"sake"(酒。英語の発音だと"サーキ"に近い)と韻を踏ませる為にNagasakiという単語を使いたかっただけというシロモノ。両方日本がらみだからか? バカめ。オツムが弱いとしか言いようがないし、腹立たしい。


元々僕はこの手の話題にそんなに敏感に反応する方じゃない。"♪戦争を知らずに僕らは育った〜"という歌さえも知らずに育ち、幸いなことに親族の中に戦争に関する忌まわしい記憶を持った人が殆どいない。そんな僕にとって戦争は、原爆は、良くも悪くも「遠すぎる出来事」だ。だからスミソニアン博物館の原爆展が様々な軋轢によって企画倒れに終わったと聞いても「あぁアメリカでの原爆の位置づけなんて所詮そんなもんか」とちょっと呆れるだけだったし、このリリックが他のラップ・アーティストのアルバムから聞こえてきたものなら「アメリカのバカラッパーがなんか言ってるぞ」と内心小バカにするか軽く流すかしていたと思う。が、これがBEPとなれば話は別。


何が「Where Is The Love」じゃ。こいつらはいかにも「ラヴ&ピースの代弁者」みたいなツラしてヒットチャートに殴りこんできた連中である。さらにその路線を継承し、今回は同じような平和ソング「Union」を"平和の使者"Stingの「Englishman In New York」をまんまネタ使いして本人連れてきて替え歌をさせ、それをラストに持ってくるというこれみよがしかつ安直なことをやっているのである。そういう連中がこの歌詞である。多分このパートはBEPメンバー本人がやってるわけじゃないと思うんだが(Talib Kweli?)、どっちにしろ同罪だろう。そういえば前作からのシングルヒット「Hey Mama」のアルバム・ヴァージョンにも"Then we drop bombs like we in the Middle East"なんて歌詞があったし、こいつらの"平和感"なんてこんなもんだ。上っ面だけで何と底の浅いことか。BEPは何だかんだでかなり切れ者集団っていうイメージがあったが、今では無邪気が過ぎるようにしか見えなくなってしまった。『Monkey Business』なんて自分で言っとる場合か。


買ってからしばらく他の曲も繰り返し聞いてみてお気に入りの曲も見つけたし、ポップアルバムとしての出来は決して悪くは無いんだけどなんか他のこと書く気失せちゃった。買った身で言うのもなんだけど、このアルバムは(少なくとも日本では)あんまり売れて欲しくないな(もう手遅れだけど)。まー「Where Is The Love」に関しては当時から「発しているメッセージは素晴らしいが曲としてはつまらんわ」って評価を個人的には下していたし、僕が好きになったのはそれ以降のダンサブルな「Shut Up」「Hey Mama」「Let's Get It Started」だから、ここはすっぱり割り切ってポップなダンスミュージック路線のみを楽しめればそれでいいや。少なくともこいつらの「ラヴ&ピース路線」には全然期待しない。みんな早く「Where Is The Love」の欺瞞に気が付くべきだ。
posted by Skedge at 01:58| Comment(8) | TrackBack(0) | 音楽ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この手の話題には私も敏感じゃないし、音楽には全く明るくないがひとつ。

最近は戦争や暴力を扱った映画や本が多い。
別にそれが問題なわけじゃないよ。
「描きたかったのは戦争ゲームではなく愛情だ」とか
「暴力シーンを入れることで友情の大切さを表したかった」とか、
戦争や暴力をただの媒体としてしか扱ってないことが問題ではなかろうか。
そんなんだから戦争というものの意味がどんどん薄められていくんじゃないかなぁ。
使い捨ての媒体って、ホッカイロじゃないんだから。
他のモノを描きたいが為に、大事なことをなおざりにしすぎだと思う。

文章ヘタなので上手く言えない。あぎゃ。
Posted by ガン・モドキ at 2005年06月20日 16:33
すけっじさん、こんばんは!

えっ…腹ただしい、っていうか怒り超えて全く理解不能です。Where Is The Love?は本当になんだったんだろう?呆れた。。。直接被害あったわけじゃないけど、やっぱり同じ日本人としては心が痛みます。しかも平和系も"Union"って曲もあるんですか…。こういうような矛盾してるアーティストっていっぱいいるだろうけど…あー、Where Is The Loveが名曲だ!とか言ってた自分が恥ずかしいです。。。



なんかこのモヤモヤもぶっ飛ばすくらいに、今からファット・ジョーのアルバム大音量で聞こうと思います。(笑)
Posted by akkie at 2005年06月20日 21:34
>ガン・モドキさん

硬派なコメントサンクスです。
ていうかHNから察するにあなたはあなたですね?
滑り止めに東大を受験しようとしてる人ですね?

で、知り合いだと言うことで意地悪なことを言わせてもらうと(笑)、
別に昔から暴力映画や戦争映画はフツーにあったと思うし
そもそも「昔」を知りもしないくせに、数えた訳でもないのに
そういう言い方をするのは危険だと思われ。
でも言ってることはなんか分かるよ。
暴力を何かの”ダシ”に使う不謹慎さっていうのかな、うん。
時代は「カジュアルヴァイオレンス」。


>akkieさん

まぁ僕も「Where Is The Love」の歌詞を初めて知った時は感動しましたから似たようなもんですよー。ただ"曲として"は全然好きじゃなかったんですが。聞いてて退屈だもん(笑)。
「Union」は元ネタの「Englishman In New York」って曲がAlltime Favouriteの1位じゃないかってくらい好きなんでこれ聞きたさにアルバム買ったわけですが、もう素直には聞けないですねぇ。今BEPの公式サイトで3rdシングルを一般投票で選ぶってのをやってんですけど、これ結構人気高いらしいですわ。

でぶじょーと言えばジェニロペと組んだ曲はどうなったのかしら。不発?
Posted by Skedge at 2005年06月20日 23:58
2年も前のBlogエントリーに投稿失礼します。
該当の歌詞なんですが
My lyrics out can split atoms like Hiroshima and Nagasaki
ですと、私の乏しい英語知識では意味が取れません。

http://jp.soundpedia.com/music/c29uZ18zNzM1MzY=/Like_That-/lyric.html
こちらでは
My lyrics get out of a split atom like Hiroshima and Nagasaki
となっています。そもそも a split atom というのはatomic-bomb:原爆ではなくて原子核分裂で分裂した原子のことですし、その原子から逃げるというニュアンスではないでしょうか。これが即ち原爆批判とは思えないものの、少なくとも「俺のリリックはヒロシマやナガサキみたいに 原子爆弾ドロップしてやんのさ」では無いでしょう。対訳者のミスでしょうか。
Posted by saba at 2007年07月30日 17:13
こんにちは。
スパムかと思ったらガチコメント頂いたと知って心臓縮みつつ、2年前の記事を自分で読み返して思わずブラウザ閉じそうになりました。まずは死ぬほどのこっぱずかしさを覚えつつ・・・

ご指摘の通り確かに記事記載=ライナー掲載の歌詞では意味がよく分かりませんね。"get out of"で辞書を引いてみたところ逃げる、〜から出て行くといったよく耳にする訳のほかにも"〜から(真相などを)聞き出す、(利益などを)得る、引き出す"といった他動詞的な訳も載ってました。「俺のリリックは原子から逃げ惑う」でも「俺のリリックは原子を引き出す」でもやっぱりピンとはこないですし、どう訳してもlike Hiroshima and Nagasakiというフレーズの不穏な雰囲気は拭い切れない気はしますが、この英詞が正しいのだとしたらライナーの対訳は誤訳と言わざるを得ないでしょうね。記事中にも書いてある「Hey Mama」の"Then we drop bombs like we in the middle east"という歌詞が、訳者の念頭にもあったのかも知れないなと思いました。

コメント頂いた事で色々と考えさせられましたが、我ながら一番酷いと思ったのは、この記事、この歌詞・対訳をまるきり鵜呑みにして書いてるんですね。いかに自分が何も考えずに文章を書いていたかと、本当に身が締まる思いがしました。コメントどうもありがとうございました。
Posted by Skedge at 2007年07月31日 04:31
こちらこそ恐縮です。既に左の過去ログ欄にすら載っていないような過去のエントリーにおじゃまして本当にすみません。
対訳者は聞き取りで日本語訳を作ることを強いられているんでしょうか。普通の歌ならまだしもrapでそれをさせるのは無理があるような…。こちらだけでなくいくつかの場所(少なくとも他に3カ所)で同じようにこのヒロシマ・ナガサキに言及しているところはありましたが、間違いを指摘しているところは見あたりませんでした。
今回私はiTMSからこの曲を買ったために歌詞カードは見ていないのですが、ネットで歌詞が問題となっていることを知り、"Where Is The Love"とのあまりの政治的スタンスの違いに愕然として歌詞を検索して違いに気付いたわけですが、もし日本版のアルバムを買っていたらその歌詞と対訳を見て信用してしまっていたと思います。邦版パブリッシャーの責任は重いですね。

Hiroshima and Nagasaki の引用が適切なものであったかどうかはさておき、この場合原子核分裂によって引き起こされるもの(≒放射線)から逃げおおせている俺のリリックスゴイというニュアンスですから、少なくとも原爆を良いモノと認識しているわけではないと言うことができると思います。

"Hey Mama"のほうは間違いなく"Then we drop bombs like we in the middle east" と言っていると思いますが、ただ、英文を読んでもこの歌詞はどういう意図で言っているのか意味がとりにくいです。少々分かりにくいながら皮肉の多い歌詞のようなので、そういう意味で使ったのかもしれませんね。北米でリベラル派を気取るというのも、簡単なようでいてそれなりに気を遣う行為だと思いますので。

自分の昔の文章って恥ずかしいものですよね。掘り返してしまいすみませんでした。疑問が解けてよかったです。どうもお邪魔いたしました。
Posted by saba at 2007年07月31日 21:22
コメント遅くてすみません。
そういえば対訳以前に元の詞がホントはどうだか分かったもんじゃないですよね。海外の歌詞サイトでも違う歌詞出てくるくらいですし、"アーティストサイドから提供されたものを使用"って歌ってある場合は大抵"・・・していますので、一部歌唱と違う部分がございます"って言い訳に続きますし・・・。結局最後は聞き取りの詞になっちゃうんでしょうか。

やはりこの部分を取り上げている人は同じようなことを書いてるんですね。やはりそれだけ訳に皆さん引き摺られていると。それにしてもsabaさん本当によくぞこの食い違いに気付かれましたね。

"Hey Mama"の方は、彼らがリベラルなスタンスを堅持しているという前提にたって考えるなら、一回目のweと2回目のweが別のものを指してる可能性があるかな、と思いました。1回目がBEPで2回目が”アメリカ人”とか。
Posted by Skedge at 2007年08月06日 04:48
これ死ぬほどムカつきますね。
発売禁止にすべきというか、
このカスニガーに会ったらボコボコにしてやりたいわ。
Posted by 賛同 at 2016年06月09日 21:19
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